Japana Ekonomio

主として日本の政治経済を扱います。Mainly,I refer to economy of japan on articles in this page.

オイルとアメリカー原油の価格はどうなるの?

原油高はこれからも続く?

 皆さん、こんにちわ!ayaです。

 最近、ガソリンが高くてかないませんね。私は北海道出身ですが、北海道民の方々はガソリン代が高くてヒイコラヒイコラ言ってるみたいです。

 プラッツドバイ原油価格の推移表(https://cx.minkabu.jp/commodities/33)を見ると、今年10月8日時点では、1キロリットルあたり56,000円!べらぼうですね。

 そんなべらぼうな高さを誇る原油市場ですが、どうも長続きはしなさそうだという観測が出ています。

ウォール・ストリート・ジャーナルに出た見解

 そんな観測の一つは、ウォール・ストリート・ジャーナルでも出ています。まずは、本日付の同紙の記事「米国の対イラン制裁、原油高は長続きしない訳」から一部引用します。

(引用開始)

 長期的にみると、原油価格には下落圧力がかかるとアナリストはみている。世界経済の成長が鈍化しているなか、米国、ロシア、サウジアラビアがそろって供給量を増やせば、需要は冷え込む可能性が高い。

(引用終わり)

 また、記事では、原油価格に下落圧力がかかる背景事情の一つとして次のことを指摘しています。

(引用開始)

 米国政府が米国産原油の輸出禁止を解除したのはわずか7年前だが、米国は2022年までにエネルギー純輸出国になるとみられている。ラピダンは2019年の世界の原油供給量が日量250万バレル増加すると予測しているが、その大半は米国産とブラジル産になるだろう。

(引用終わり)

 ん?米国って米国産原油、7年前まで禁輸だったの!?

 なんで、禁輸だったのでしょうか?

米国による原油禁輸

 米国が原油の輸出を禁止していた理由や経緯については、JETROが書いた「2017年以来、原油の輸出量増大と輸出先多様化が進展中-米国」には次の通り解説されています。

(引用開始)

1975年、米国は、1973年から1974年にかけて発生したアラブ諸国の石油禁輸に伴う米国内のガソリンをはじめとする石油製品価格の急騰に対応して、米国産の原油およびリース・コンデンセート(主に天然ガス田の井戸元で生産される超軽質原油の一種)の輸出を禁止した。以降、異なる時代に異なる2人の大統領が一部の地域に対して原油の禁輸措置免除を認め、米国産原油は1980年代にはカナダに、1990年代にはアラスカ原油がアジア市場に、特例として輸出された。その後2000年代に入り、最初の10年間は極めて少量の原油輸出しか行われなかったが、2012年以降、カナダの大西洋沿岸地域の製油所が米国中部地域で生産される軽質原油の調達を開始し、当該地域製油所の主要な輸入原油であった西アフリカ産原油は米国産原油に置き換えられていった。

 

シェール革命以降、米国の原油生産量は2014年から2015年にかけて大幅に増加し、2015年4月には、カナダが日量52万バレルの米国産原油を輸入するまでに至ったが、これによりカナダの原油市場は飽和状態に近づき、米国の石油産業は増産するシェールオイルの新たな輸出先として、他の海外地域への売り先を確保する必要性に迫られた。こうしたことを背景に、2015年12月にオバマ前大統領は原油輸出禁止法を解禁する法案に署名した。米国産原油の輸出は、40年にわたる禁輸期間を経たのち、全面的に解禁されたのである。

(引用終わり)

 つまり、自国民を守るために、輸出を控えていたけど、シェール革命によって禁輸をするまでもなくなった、ということです。

原油で米国の外交がわかる?

 でも、それだけでしょうか?

 長らく、中東産の原油は、その殆どがドルで決済されていました。だから、世界中が、原油が欲しい場合にはドルを手に入れる必要があったのです。

 だから、ドルに対する需要がなくなる、ということはありません。米国のドルと言うお金の力がひどく衰えるようなことはなかったのですね。

 歴史を見ると、米国は、イラク戦争やシリアの内戦など中東の紛争に深く関与してきました。ドルの力を維持するために、紛争に介入したという面もあるのではないでしょうか?

 だとするとですよ、米国による原油輸出の解除というのは、実は、「もう中東に頼らなくても、自国産の石油も合わせれば、ドルの力を安定させることができるようになった。」という世界に対するメッセージとは考えられませんかね?

 先ほどの、ウォール・ストリート・ジャーナルの「世界の原油供給量が日量250万バレル増加すると予測しているが、その大半は米国産とブラジル産になるだろう」という予測も、米国が中東への関与を薄めつつあるということを反映してのものではないでしょうか。

 米国のトランプ大統領は「アメリカ・ファースト」の人ですし、中東から米国はどんどんと手を引こうとしているのかもしれません。

 今後も、原油市場から目を離せませんね!